国際レースを視野に入れた番組編成を望む(3)
何故、私がこれほど海外遠征に拘るのかというと、まずは今年のブリーダーズCの結果から、オールウェザーならアメリカ調教馬以外にも勝つチャンスが出てきたということ、さらに2010年からドバイワールドカップの賞金が2倍になることで、まさにワールドチャンピオン決定戦の舞台が整いつつあることを挙げたい。真の世界一を決めることが可能な舞台が調いつつあるのだ。もし、UAEとアメリカで最高峰レースを同時に勝つ馬が出てきた時、凱旋門賞の位置づけも大きく変わってくるに違いない。そうした意味でも、これまでクラシックやスプリントでアメリカ調教馬しか勝てなかったブリーダーズCで欧州調教馬が勝った意味は非常に大きいと思う。
これは凱旋門賞でアメリカ調教馬が勝つに等しい快挙なのである。過去87回の凱旋門賞は3回のUAE所属馬(ラムタラ、サキー、マリエンバード)を除けば全て欧州馬で占められている。UAE所属の3頭にしても馬主がモハマドファミリーというだけで実際は欧州で走っていた馬ばかりである。これではヨーロッパチャンピオンであって、決してワールドチャンピオンとは呼べないのではないか。例えばドバイのシーマクラシックに前年の凱旋賞馬とブリーダーズCクラシックの勝ち馬とオーストラリアや南アフリカといった南半球のGⅠホースが一同に顔を揃えたらさぞすごいレースになるはずである。そうした意味でも欧州でもアメリカでもない第3国で開催される国際競争という点に意味があるはずである。JCもそうした意味合いで期待をしていたのだが、近年は日本馬が強くなり過ぎてしまったためか、ローテーションがきつくなり過ぎるためか、欧米やオーストラリアからの強豪馬の参加がなくなってしまった。
近年アメリカ生産馬が欧州生産馬を凌ぐ勢いになっていた。欧州の生産者がノーザンダンサーの血統に拘り続けた結果、欧州生産馬に軽快なスピードが徐々に欠けていった結果である。最近は欧州の生産者もアメリカ生産馬の血を交え始め、ようやく復調の兆しを見せてきた。欧州の競馬を変えたノーザンダンサーは元はといえば北米カナダのE・P・テイラーという人が生産した馬なのである。ところがニジンスキーのような直仔の血が色濃くなってしまった欧州では、欧州の重い芝でしか勝てない馬が多く出てくるようになってしまったのである。私はテイエムオペラオーの欧州遠征を強く望んでいたのもそのためである。ノーザンダンサーの血統が色濃く出ているオペラハウスは欧州の重い芝でこそと考えていたからだ。今年メイショウサムソンがようやく凱旋門賞に臨んだが時既に遅しであった。サンデーサイレンスのように初仔から最晩年の産駒までムラなく走る馬を出す種牡馬が例外であって、通常は旬というものが必ずあるものである。
日本の生産界は欧州馬とアメリカ馬とのミックスで成り立っている。その比率が多少アメリカよりになってきている程度であろう。その結果、アメリカのダートではスピードが足りず、欧州の芝ではパワーが足りないという競馬が続いている。だからこそのドバイなのだが、長距離輸送もあってか、超一流馬の参戦がない。今年はウォッカ参戦で多少は盛り上がったが、やはりポッと行って勝てるほど甘くはなかった。安田記念を使うにしても時間的な余裕があったのだから、少し早目にドバイに入り、プレップレースを叩いて本番というローテーションを考えて欲しかった。その後、安田記念を快勝していることを思えば、あれが彼女の実力ではないことは明かだ。
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